2月5日 夫が亡くなった。
2月3日
22時30分ごろ、私が「先に寝るね」と夫に言ってベットに入った。
夫は日本酒を飲みながらNetflixで何か映画を見始めていた。
平日はいつも早く寝るのに珍しいなと思った。
今から2時間くらい見るのかなと思っていたら、すぐ寝室に来てベットに入った。
「あれ?やめたの?」
と聞くと
「うん」とだけ言った。
それからすぐだったと思う。
ウトウトし始めた時、ものすごいイビキと言うか思いっきり鼻を啜ったような音が一回して目が覚めた。
「どうした?」と寝ぼけながら聞いた。
返事はなかったが、すぐまた大きな「ゴゴッ」と鼻をすすり上げるような、でもちょっと大きすぎるような音が、少し苦しそうな音がした。
「ねえ!どうしたの!?」と聞いたが返事がない。夫を見に行って体を揺すったらダランと仰向けになった。
「お父さん!どうしたの?!お父さん!」
とパニックになり叫んだ。次女が飛び込んできて、夫の口元に手を当て「お母さん!呼吸してない!救急車呼ぶね!」とすぐ電話を取りに行った。
私はふざけているのかと最初は思って、
「うそでしょ?!うそでしょ!!」
と何度も夫の体を揺すった。だっていつもわざと大きなイビキをのような豚の鳴き声のような音を出して出して私を笑わせるから。
娘が救急隊の人と話しながらスマホをスピーカーにして寝室に入ってきた。すぐ心臓マッサージをするようにとスピーカーから聞こえた。
◯◯のあたりに左手を置いてその上に右手を置いて何度も押すように言われた。◯◯がどこかはっきりわからなくて無我夢中で必死で何度も両手で、心臓あたりを押し続けた。
「お父さん!お父さん!お父さん!」
何度も叫んだ。
「早く!救急車早く来てよ!!嘘でしょ!」
救急車の音が近づいてきた。5分もかかってないと思う。
救急隊の人が5人くらい入ってきた。
1人が私を呼んで、落ち着くようにと。
「保険証を用意して、救急車に乗ってください」
私は夫の財布から保険証を取って、娘にタクシーで後から来るように言った。
長女はお風呂に入っていて驚いて飛び出してきたから、髪を乾かしてから来るように言って救急車に向かった。
夫のタンカはエレベーターが狭いせいで私より後から来た。
救急車では救急隊の方が人工マッサージをかわるがわるしてくれていたが、AEDはしなかった。
私は「お父さん!頑張って!」とずっと繰り返していた。早く!早く着いて!そう思っていた。
救急外来の入り口で夫について行こうとした私に「受付してください!」と誰かが呼び止め、私は受付に行った。
ここから地獄の二日間だった。